愛なんて要らないはずでした~逃げるために嫁いだのに、心まで奪われています~
 継母が私たち父娘を気持ち悪がるまでにそう時間はかからず、私は継母から罵倒されるようになった。継母がそのように振る舞えば、義妹も同じように振る舞うに決まっている。私はすぐに彼女たちから様々な嫌がらせを受けた。そしてその嫌がらせの証拠を三年間溜め、私がニ十一歳になった時、父に泣きついたのだ。

 義妹に嫌がらせをされている。だから彼女を、『死神と呼ばれる辺境伯家』へ追いやって欲しい、と──

 この年まで耐えたのは、単純に準備に時間が必要だったからだ。
 〝ふたり〟が生活するのに困らないだけのお金と、土地と、権利を準備する時間が。

 私の願いはすぐに叶い、幸いにも辺境伯家は我が家の打診を二つ返事で了承してくれた。
 その結果、ロイス子爵家とモロゾフ辺境伯家の縁談はすぐに進んだ。

 元々死神と恐れられる家。嫁いだら最後、という噂もあるせいで嫁探しに苦労していたのだろう。
 義妹と継母は発狂したかのように、より一層私への当たりが強くなり、罵倒だけでなく物を投げられ、暴力を振るわれることも多々あった。

 それでも、父よりも彼女たちの側の方が安全を感じていた。
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