愛なんて要らないはずでした~逃げるために嫁いだのに、心まで奪われています~
あっという間に義妹が嫁ぐために辺境伯家へ行く日の朝が来た。その日はあえて母の命日の翌日にしていたので、案の定深酒をしていた父は朝見送りにも出てこなかった。
好都合だったし、そしてそうなると思ってのことでもあった。
辺境伯家から遣わされた馬車に義妹が乗せられる寸前に現れた私を、相変わらずふたりは罵倒した。義母からは「お前のせいで」と平手打ちをされたし、義妹にはトランクで殴られた。
そんなふたりに、私は深々と頭を下げた。突然頭を下げた私に、継母と義妹は動きを止めた。
「これを、受け取っていただけませんか」
それは私が三年間かけて準備したお金と、土地と、その権利書だった。私物も全て売り払い、そのお金も足している。
突然渡されたそれらに彼女たちは目を白黒とさせていたが、そんなふたりの様子を無視し、私は僅かに残った自身の荷物を詰めたトランクを辺境伯家の馬車へと乗せ入れた。
「辺境の死神へは私が嫁ぎます。おふたりは、この家から逃げてください」
「は? 一体何を……」
好都合だったし、そしてそうなると思ってのことでもあった。
辺境伯家から遣わされた馬車に義妹が乗せられる寸前に現れた私を、相変わらずふたりは罵倒した。義母からは「お前のせいで」と平手打ちをされたし、義妹にはトランクで殴られた。
そんなふたりに、私は深々と頭を下げた。突然頭を下げた私に、継母と義妹は動きを止めた。
「これを、受け取っていただけませんか」
それは私が三年間かけて準備したお金と、土地と、その権利書だった。私物も全て売り払い、そのお金も足している。
突然渡されたそれらに彼女たちは目を白黒とさせていたが、そんなふたりの様子を無視し、私は僅かに残った自身の荷物を詰めたトランクを辺境伯家の馬車へと乗せ入れた。
「辺境の死神へは私が嫁ぎます。おふたりは、この家から逃げてください」
「は? 一体何を……」