きみと、どうかしてる。

「あたしたち、超仲良しだよね?」

「………」

「一番仲良い人は千尋だって言い切れるもん。ベストフレンドだもん」

「………」

「だから冷たいこと言わずに。ね?」

「………」

俺のことを異性として認識してないにしても、一人きりの家に男を誘うとか。いくらなんでも危機感なさ過ぎる。

それがどういうことなのか、ちゃんと教えといてやらないと。そのうち本気で痛い目見そう。

「一人暮らしで寂しいのは分かるけど、軽々しく家に誘うな。いつも言ってるだろ」

「そうだね。でも、なんでダメなの?」

「なんでって…」
 
理由なんて、どう考えても一つしかないだろ、と言いたいけど。

言ってしまったら、具体的に説明しろって言われかねないから。すげー口に出しづらい。

「それはだから、」

「………」

「………未成年だから。」

"俺が悪いやつだったらどうすんだよ、力で勝てないだろ"って。

本当に言いたいのはそういうことじゃないけど、直接的な言葉を出すのは憚られるから。

だからどうにか、苦し紛れだけど、理屈が通る理由を絞り出したつもりだった。

なのに。

「ちゃんと人選してるから大丈夫だよ」

「……人選?」

「うん。こんなこと、千尋にしか言わないよ」

「あ、そう…」

だから、その人選が間違ってるんだって。早く気付けよ。

それともこれは、"お互いに恋愛対象外だから大丈夫でしょ"って。そういう意味?

亜美子はそう思っているかもしれないけど、俺はそう思っていないかもしれない、とか。

そういう可能性は考えないんだろうか。まじでバカ。


……こんなことするの、本当は嫌だけど。

言って分からないなら、実際に経験させるしかないよな。

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