きみと、どうかしてる。
あたしは会う度に好きになっていってるけど、千尋からすればうるさい近所の子供…よくて、世話の焼ける妹ぐらいにしか思われていないと思う。
冗談めかしてだけど、何回好きって伝えてもスルーされるし。
稀に反応があったとしても、"はいはい"とかで。なんなら"軽々しくそういうこと言うな"って怒られる。
だから、千尋があたしを女として見てないっていうのは、言われなくても分かってる。
好きになったところで、この恋は叶うものじゃないってことは。
でも、叶わないのはあたしだけじゃないから。
千尋を独占することはできないけど、誰にも独占されることがないのはありがたい。
……まぁそのうち、何でもないことみたいに"彼女できた"って。悪びれず言うんだろうけど。
本当は女として見てほしいけど、でも。
お酒の力を借りて実行している、"過度なスキンシップ作戦"も、見事に失敗ばっかりで。これ以上どうしたらいいのかわかんない。
これがあと何回続くかなんて、続けられるかなんて。考えたくない。
思い通りにいかない現実を嘆く時間も、新たな作戦を考える時間も、いくらあっても足りないのに。
時間は止まってくれないし、どう足掻いても月曜日はやってくる。
――そして、今日も。
多くの人が行き交う朝の生徒玄関で、仁王立ちであたしを待ち伏せる女の子と対面する。