きみと、どうかしてる。
「いや、だからね?友達にはなれないの。
知ってると思うけど、他の人とも、」
「私、入学した時からずっと、谷村さんのこと見てました」
振り解こうと力を入れてみたけど、全然ビクともしない。体は小さいのに力は強いらしい。
「最初は、綺麗な人だなぁって。視界に入るとつい見ちゃうってだけだったんですけど。誰とも関わろうとしないのが気になって、」
「………」
「隠し事があるのかもって、観察してました」
「か、観察?」
話している間、真剣な表情を崩さないところを見ると。
これは罰ゲームで言わされてるんじゃなくて、本気なんだって察した。
「この半年ずっと見てたけど、全然分からないんです。おかしいところは一つもないし、怪しいところもない」
「えっと…」
「いい意味で、すごく普通の人なのに。
周りを拒絶する理由が、いくら考えても導き出せなくて。
だからもっと、近付きたいんです。
友達になってくれないと困るんです」
「いやあの、ちょっと…」
握られている腕を引き寄せられて、体がどんどん彼女に近付いていく。
なんで、どうしてって言葉が、頭の中を駆け巡る。
分からないなら、放っておいてくれればいいのに。
あたしなんかに興味を持たなくて良いのに。
理解して欲しいなんて、頼んでないのに。