きみと、どうかしてる。

「駅前って言っても、すぐそこの駅じゃないよね?千尋の家、遠いんだもんね?」

これは良い推理でしょう。
こんな簡単なミスリードに引っかかってたまるか!と、ドヤ顔をかましていると。
 
「遠いけど、今日はどうしても人が足りないからヘルプで来た。系列店だから」

「へ、へるぷ・・?」

「なるほど。"遠い"に疑問符がつくってことは、詳しい住所まではわからない、と」

「ちょっと!?さりげなくメモ取るのやめてもらっていい!?」

終止符を打つつもりだったのに、まさか、そんな偶然まで重なっていたなんて。

厄日なのか、それとも厄年なのか。はたまた大殺界?


「あんまり遅いとサボってると思われるから。来るなら早くして」

「はい!」

「やっ、あの!すいません!!」

言い終わるより先に歩き始めた千尋と、駆け寄っていく森下さんに向けて。少し大きめの声を上げる。

「あっ、あたしは!行かないからね!」

「………」

「………」

「ここで失礼します!」

これで事態が収まるとは思ってないけど、これ以外に何も思い浮かばなかった。

で、やっぱり結果は。案の定。

「分かった。私は夏川さんにたっぷりお話を伺いたいから、谷村さんとはここでお別れ、」
「嘘!嘘です!ちゃんと行くから。たっぷり聞こうとしないで!」

「亜美子、騒いでないで早く」

二人の気持ちを変えることは出来ず、あえなく撃沈しましたとさ。ちゃんちゃん。

……………はぁ。

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