きみと、どうかしてる。
「じゃあ手始めに、連絡先交換しよう」
「あ、はい」
「ボーリングもゲーセンも。一緒に行こうね!」
「う、うん……」
「ついでに夏川さんも交換してください」
「は?」
あたしが話を始めてからずっと、無言を貫いている千尋に、急に話を振るものだから。
目をぱちくりさせながら疑問の声を出したのは、もちろん千尋本人。
「なんで。理由はないけど結構嫌」
「今の話だと、亜美子ちゃんが頼れるのはオーナーさんか夏川さんだけですよね?だから、万が一大人の力が必要になったときの為に」
「あー…」
「あと、言い負かされたこと忘れてませんから。また挑戦します」
そう言って差し出されたスマホは、スマホというよりも果たし状に見える。
あたしが感じているより、森下さんの傷は深かったらしい。
「……分かった。ちょっと待って」
「えっ」
しばらく考える素振りを見せた後、同じようにスマホを差し出すから。
あれ、嫌って言ってなかった?
何をどう解釈してオッケーになったの?
千尋さん、自ら面倒事に首突っ込んでるの分かってますか???
声に出したら、"バカにしてんのか”とでも言って、頬をつねられそうな本音を、胸の内に隠したあたしとは逆に。
「現役女子高生の連絡先が手に入ったんだから、素直に喜んでもいいんですよ?」
ここぞとばかりに反撃をしかける森下さんは、勇敢なのか、命知らずなのか。