きみと、どうかしてる。

一言も話すことなく車まで戻ってきたものだから、助手席にはなんとなく座りづらくて。

後部座席に乗り込んだあたしの後ろを追うように乗り込んできて、隣に座っ、

「へっ?」

「………」

「えっいやあの、え?え???」

「………」

……座るんじゃなくて、覆い被さるように抱きしめられた。


いやいやいや、なんですかこれ。え?
現実逃避したすぎて頭おかしくなった?これが白昼夢ってやつ??

現実のあたしは今どうなってるの?もしかして気絶した????


「…バカ。」

「え?」

「無駄に明るすぎんだよ、お前」

そう呟いた声は、まるで怒っているような、悲しんでいるような。不思議な声。

「どうやったらそんな明るい性格になれんの?」

「え?」

「意味不明すぎ。分かりづらすぎ」

「………」

な、なんか、怒られてる……?

引かれるでも同情されるでもなく!?怒られるの!!!??

至近距離で聞こえる息遣いに、体温に。
今にも心臓が破れるんじゃないかってくらい、ドキドキしてたけど。

予想外の反応のおかげで、少しだけ落ち着きを取り戻せた。

< 57 / 69 >

この作品をシェア

pagetop