きみと、どうかしてる。
「大丈夫。理解してもらえると思ってない」
「………」
「……そんなことより、この体勢はどういうつもり?」
慰めのつもりなのか、はたまた、やっぱり同情なのか。そこが気になって素直に喜べない。
「どう、って」
「うん」
「…………嫌がらせ?」
「いっ、嫌がらせ!?ですか!!?」
いや、千尋の方が意味不明なんですが。
これが嫌がらせなわけないじゃん。超絶最高なご褒美でしかないじゃん!!
「どうせ、"知られたら嫌われるかも"とか思ってたんだろ?」
「………」
「バッカじゃねーの。あんなつまんねーことで嫌いになるなら、とっくの昔に嫌いになってる」
「えっ」
「あんなことで嫌うと思われててムカついたから。腹いせ」
「む、むかつくの…?」
「うん」
「………」
ようやく顔を上げた先に見えた千尋の顔は、
言葉のとおり、とっても不機嫌そう。
「あたしがあまりにも普通じゃなさすぎるから、」
「そもそも、高校生で居酒屋に入り浸ってるお前を普通だと思ったことねーよ」
「うっ……」
「普通だと思ったことなんて、一度もない」
「わざわざ言い直さなくても!!」
「だから、嫌いになんかならない」
「え、わっ!」
最初とは比べものにならないくらい、強い力でまた抱きしめられて。
今度こそ、ドキドキが止まらなくなる。