きみと、どうかしてる。
「千尋、今なんて言った?」
「"意外な一面見れた"?」
「ちがう」
「……"可愛いとこあるんだな"」
あ、空耳じゃなかった。
めちゃくちゃ現実だった。
"可愛い"なんて。絶対思ってないくせに。
絶対絶対、からかいたいだけだもん。そんな顔してたし。
……うん、だから。
真に受けて喜んじゃだめだよ、あたし。
「ばっ、ばかにしてー!
生意気ちぃたんとは違って、あたしはいつでも可愛いもん!オールウェイズキュートガールだし!」
「あー、はいはい。そうですね」
拗ねモードに突入したあたしを適当にあしらう言葉を吐きながら、静かに車を発進させる。
「言っとくけど、人と触れ合いなれてないからだから!まだ社交レベル1だから!千尋だからとかじゃないからね!?」
「つーことは、照れてたのは当たってたんだ?」
「あぁあああ!違う!違うの、だから、」
「俺だからってわけじゃないのは分かったから。早くシートベルト」
「あ、はい…」
……そこは、すぐ分かってくれなくても良かったんだけど。