きみと、どうかしてる。
完全に車が停止したことを確認してから、一刻も早く降りようとドアに手をかけた時。
何も言わずに、窓を開けて煙草を吸い始めたから。
……降りるのは、終わってからでいっか。
「次、千尋に会うの嫌だなぁ」
「は?」
「………」
正確に言うと、会うのが嫌なんじゃなくて、からかわれるのが嫌。心臓に悪いこといっぱいしてくるだろうから。
「普通に傷付くんだけど」
「だって、絶対からかってくるでしょ?」
「考えとく」
「考えとくってなにを!?」
「………」
「あーもう!ほら!!もうやだ!!!」
窓枠に肘をついて外を見ているから、確かではないけど。
たぶん、"どうやって攻めようかな"とか。企み顔で意地の悪いことを考えているに違いない。
次からは、偶然にでも会わないように気をつけなくちゃ。お酒飲んでないときに会うのはリスクが高すぎるもんね、と。
頭の中で、そう思案した矢先。
「シラフの時も呼んでいーよ」
「は?」
……あたしの考えとは真逆のことを口にする千尋に、つい可愛げのない声が出てしまう。