婚約者の溺愛が重すぎて、普通の恋ができません!
気づけば一次会はお開きの時間になっていて、店の外へ出た。
夜風が火照った頬に気持ちよく、私は自分が思っていた以上に酔っていることにようやく気づく。
「小宮山さん、送っていくよ」
「あ、ありがとうございます」
隣にいた仁科さんがいつもの爽やかな笑顔でそう言ってくれたので、素直に頷いた、その瞬間だった。
突然、ぐいっと腕を引かれた。
何事かと思って振り向けば、そこに立っていたのは京志郎だ。
いつの間にこちらへ来たのか、私の腕を掴んだまま仁科さんを静かに見ている。
「僕が送ります」
「い・ら・な・い! 仁科さんが送ってくれるって言ってるから!」
私は仁科さんに送ってもらうのだと意思表示するように京志郎の手を振り払おうとした。
だけど、なぜか今日はびくともせず、何度腕を引いても京志郎の指は離れない。
え。なにこれ。
もしかして私、そんなに酔ってる……?