婚約者の溺愛が重すぎて、普通の恋ができません!
「あっちはオペだけ残して、ここの専属産業医になっただけ」
「だけ……って!? そ、それにどうしてここが分かったの!」
「婚約者のことくらい、わかるのは当然だよ」
京志郎は本当に当たり前のことを言ったつもりらしく、にっこりと笑った。
しかし私からすれば新幹線で何時間も離れた土地まで黙って逃げた婚約者の勤務先を三か月で突き止め、さらにはそこへ転職までしてくる男など、もはやストーカー以外の何者でもない。
「でも、よかったよ。真白だけで大丈夫かなって心配していたけど、変な虫もついていないようで」
「…………」
「栄養バランスはイマイチだけど、ちゃんと毎日ご飯も食べてるみたいだし、思ってたより元気そうで安心した」
「待って。なんでご飯の栄養バランスまで知ってるの?」
「それはあとで話そうか」
「いっそ聞きたくない」
終わった。何もかもが終わった……。
その場に崩れ落ちたい私に、京志郎は淡々と話す。