加納欄の冤罪シリーズ33シーズン4
「鮎川さん、同じ車両に乗った人って分かります?」

「今、それを拾ってる」

鮎川さんが映像を巻き戻した。

「吉井さんが乗ったのが、ここ」

画面の中の吉井さんが車内へ消える。

「次に小山内さん」

「はい」

「その後ろ」

あたしは画面に顔を近づけた。

何人もの乗客が続けて乗り込んでいる。

「こんなにいるんですか……」

「朝の電車だからな」

鮎川さんが一人ずつ印をつけていく。

「顔が確認できる奴だけでも拾ってみる」

「お願いします」

その時、あたしの携帯が鳴った。

「もしもし」

少しして、あたしの表情が変わる。

「ええ……はい。すぐに行きます」

電話を切る。

「苫利先輩からです」

「何か分かったのか?」

「吉井さんが乗ってた車両の目撃者が見つかりました」
< 15 / 52 >

この作品をシェア

pagetop