加納欄の冤罪シリーズ33シーズン4
「小山内さんの近くにいた乗客だ」

高遠先輩が答えた。

「苫利先輩、今どこですか?」

「南署に戻ってる」

しばらくして、苫利先輩が捜査一課に入ってきた。

「苫利先輩!何が分かったんですか?」

苫利先輩が手帳を開いた。

「小山内さんの近くにいた女性から話が聞けた」

「痴漢を見たんですか?」

「いや。そこまでは見てない」

あたしの肩から力が抜ける。

「ただな」

「はい?」

「小山内さんの真後ろにいたのは、吉井さんだけじゃない」

あたしは顔を上げた。

「他にも、男がいたんですか?」

「ああ。かなり近い位置にな」

高遠先輩と顔を見合わせる。

やっぱり――。

吉井さん以外にも、触れることができた人がいた。

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