加納欄の冤罪シリーズ33シーズン4
「その男、どんな人だったんですか?」

「三十代くらい。黒っぽいスーツを着てたらしい」

苫利先輩が手帳を見る。

「顔は?」

「そこまでは覚えてないそうだ」

「鮎川さん!」

「分かってる。待ってろ」

鮎川さんがホームの映像を巻き戻した。

「黒っぽいスーツ……三十代くらい……」

何人もの乗客が画面を横切っていく。

その時、電話が鳴った。

「はい、南署捜査一課」

課長が受話器を取る。

「……ああ、久世さん」

みんなの視線が課長に集まった。

「分かりました。こちらでも確認します」

電話を切った課長が、あたしたちを見る。

「鉄道警察隊からだ」

「何か分かったんですか?」

「小山内さんが以前被害に遭った日も調べ直してる」

課長が鮎川さんを見る。

「過去の駅の映像が残ってないか、向こうも確認するそうだ」

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