加納欄の冤罪シリーズ33シーズン4
「同じ時間、同じ車両、同じドア……」

あたしは手帳に書いた文字を見つめた。

『偶然とは考えにくいと思います』

水城さんの声が聞こえる。

「小山内さんを狙ってるってことですか?」

『そこまでは、まだ分かりません』

そうだ。

決めつけちゃいけない。

吉井さんの時と同じだ。

「ありがとうございます。また何か分かったらお願いします」

電話を切ると、高遠先輩がこっちを見た。

「どうだった?」

「高遠先輩……」

あたしは手帳を握りしめた。

「小山内さんは、本当に痴漢に遭ってると思います」

「ああ」

「吉井さんが犯人だって証拠もない」

だったら、調べることは一つ。

吉井さんが犯人じゃないなら――。

本物の痴漢は、今もあの電車に乗っている。

そして、次の犠牲者を物色している?

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