加納欄の冤罪シリーズ33シーズン4
「それから、もう一人」

課長の視線が、こっちへ向いた。

「盗撮していた赤い帽子の男だ」

あたしは思わず、自分のスカートを押さえた。

大山先輩が、それに気づく。

「こっちは大山、高遠、加納くん」

「はい」

「スマホは?」

高遠先輩が、証拠品の袋を持ち上げた。

「ここにあります」

「中身を確認しろ。余罪があるかもしれん」

大山先輩の顔が、一瞬険しくなった。

「分かりました」

「加納くん」

「はい?」

「君は今回、被害者でもある」

課長は、あたしをまっすぐ見る。

「無理だと思ったら、途中で出ろ」

「……大丈夫です」

あたしは大山先輩と高遠先輩の後を追った。
< 38 / 52 >

この作品をシェア

pagetop