加納欄の冤罪シリーズ33シーズン4
取調室に入ると、赤い帽子の男が俯いていた。

帽子はもう被っていない。

高遠先輩が向かいに座る。

「名前から聞こうか」

男はしばらく黙っていた。

「黙ってても終わらないぞ」

大山先輩の低い声に、男が顔を上げた。

やがて、小さな声で名前を答える。

高遠先輩が淡々と確認していく。

あたしは少し離れた場所に座った。

男がちらっと、あたしを見る。

その視線だけで身体が強張った。

「電車の中で、何を撮ってた?」

「……何も撮ってません。ゲームしてました」

「そうか」

高遠先輩は机の上に証拠品の袋を置いた。

「じゃあ、このスマホを確認しても問題ないな?」

男の顔から、すっと血の気が引いた。
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