加納欄の冤罪シリーズ33シーズン4
赤い帽子の男は、俯いたまま答えない。

「聞いてんだよ」

大山先輩の声が低くなる。

「仁」

高遠先輩が静かに止めた。

「分かってる」

そう答えた大山先輩の拳は、固く握られていた。

あたしは椅子に座り直す。

あれでも、全部じゃなかったんだ。

「欄」

高遠先輩があたしを見る。

「外に出てもいいぞ」

あたしは首を横に振った。

「いえ。ここにいます」

そして、赤い帽子の男を見た。

「どうして撮ったんですか?」

男が、初めてあたしの顔を見た。

「……出来心です」
< 42 / 52 >

この作品をシェア

pagetop