アネモネの花
帰りの道はびっくりするほど空いていた。

まぁ、逆なんだからあたりまえな気もするんだけど…。



車を駅のロータリーの端に停め、会話の続きをと、帰ろうとする私を制止した。


「そうだ」

莉緒がニヤり。


うわ…この笑みは、絶対妙なこと考えてる笑みだ。


「今度さ、彼方くんと今日の打ち上げしない?」

だけど提案は意外にまともで…


「別に良いけど?二人で会えば良いじゃん。あ。私がドタキャンとかでも良いよ」

私はちょっと冗談まじりに笑う。


だけど、莉緒の顔は真剣で

「二人きりだとキョドるから無理…」


めずらしく“とまどい”を見せ、声が徐々に小さくなり、俯いた。


あんな風に“立候補”までしといて…

今更それは無いでしょ。
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