アネモネの花
「ナオトくんより彼方くんの方が良いと思うのになぁ…私のタイプではないけどさ」

「だよね…かなり意外。あとヒロシとか…ププ」


現在、私と麻奈はトイレで会話中。

別にトイレに一人で行けないわけでも、中高校生の“トイレ付き合って~”という流れでもなく…


ただ単に、日頃の莉緒に対する“小さな仕返し”で。



止める莉緒を振り切って、私と麻奈は二人でトイレに駆け込んだ。

つまり、莉緒だけ“あの場”に置いてきたってわけなんだけど…



「だよ!ナオトくんとか超普通じゃんね…。ヒロシとか酷似しすぎだし」

ユウキくんの顔を思い出して吹き出しそうになる。
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