アネモネの花
「ヒロシのことは眼中になさそうだよね、莉緒…」

「うん。ヒロシって莉緒より背低いみたいだし」

「マジで?彼方くんと並べたらすごそうだなあ…」


莉緒もユウキくんもいないのを良いことに、私と麻奈は言いたい放題。

都合よく、他のお客さんもいない。



「さすがに、もうそろそろ戻んないと莉緒に怒られるよー」

「そうだね、戻ろう」



席に戻ると、それぞれの恋バナで盛り上がっていた。


当の莉緒は

“今度行く時は置いてかないでよねー”


…なんて、情け無い声を出していたけれど。
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