アネモネの花
「………」

『………』



…会話が、無い。



耳に入るのは、試合が行なわれているチームの掛け声と、ボールのぶつかる音だけ。




――まぁ、戻っても大丈夫かな。

そう思って、なにも言わずにその場から私は立ち去った。




チームのみんなといても、紘人がなにを考えているのかな、とか楽しんでるなんていうのは、私の勝手な思い込みなんじゃないか…とか。


本当は結構、気になっていたんだけど、気になってることを気付かれるのが怖くて、常にポーカーフェイスを振舞った。
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