アネモネの花
紘人のそばに行き、私は腕をつんつんとつっついた。

すると、紘人がゆっくり振り向く。


「お、どした?」

「…楽しい?」


私がありきたりな質問をすると、紘人は一瞬きょとんとした表情を見せ、そして言った。


「まぁね。見てるとやりたくなる」



――ほら、やっぱり。

紘人の表情で、この状況を楽しんでるのが分かる。


紘人は、見てるだけでも楽しいんだ。

フットサルの動き、選手の動き…


そんな紘人を見てるこっちも楽しくなる。

なんか…不思議な感覚。
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