人は見た目に騙される

 むしろ大きな金を引き出せると思った。
 この女を使えば、まだまだ金を引っ張れる。

 その翌日、桜都は仕事から帰る夏菜を見つけ、すぐに引き止めた。

 「先輩」
 「雨宮さん?」
 「今から一緒に来てください」
 「どこへ行くの?」
 「DV男のことを終わらせます」

 桜都は今までのこと、昨日の出来事を全て話した。
 事情を聞き夏菜の顔が強張る。恐怖に支配されてる顔だ。

 「そんな…、雨宮さんにまでお金を要求してたなんて…」

 夏菜は驚き、申し訳そうに謝った。

 「本当にごめんなさい」
 「先輩は何も悪くないです」

 今にも泣きそうな夏菜に桜都は冷静に言葉を向ける。
 
 「もう終わらせましょう」
 「分かってる……でも怖い」
 「大丈夫です」
 「でも……」
 「私がいます。一人じゃありません」

 それだけ言って、桜都は歩き出した。
 夏菜は少し迷い、動けない。

 「本当に…大丈夫なの?」
 「はい」

 けれど桜都の迷いなく、真剣な声に背中を押される気がした。今まで何度も話を聞いてくれた桜都を信じることにした。

 「……分かった」

 二人で歩き出す。
 暫くすると、少し離れた駅の入り口で佑真も合流した。落ち合う約束をしていたのだという。
 夏菜はいつの間に?と思ったが、何も言わず付いていく。

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