人は見た目に騙される

 佑真が後ずさりをし、夏菜が桜都を見る。

 「雨宮さん……どういうこと?」

 桜都は冷静に夏菜を見る。

 「先輩は何も心配する必要はありません」
 「でも……」
 「私を信じてください」

 落ち着いた桜都の声に夏菜は黙った。そしてゆっくり頷いた。佑真は二人を見ていた。

 「おい……」

 声が震え、嫌な予感がする。

 「ここ……もしかして……」

 誰も答えない。桜都は静かに言った。

 「あなたは無償でお金を借りられると本気で思っていたんですか?」
 「……」
 「私から三万円を借りた時も、何も考えていなかったんでしょうね」

 佑真の顔が強張る。

 「お金を借りるなら、返す必要があります」
 「……いや」
 「それに、あなたは自分から『もっと借りたい』と言いました」
 「……」
 「だから連れてきました」

 佑真は桜都を睨んだ。だが、その目には怒りよりも恐怖があった。


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