人は見た目に騙される

 「帰る……」
 「どうぞ」

 桜都は横に避けた。佑真が入口を見る。
 しかし――
 そこには、いつの間にか強面の男が二人立っていた。佑真の足が止まる。

 「……っ」

 逃げられない。その瞬間、佑真はようやく理解した。
 自分は金を借りに来たのではない。自分から、とんでもない場所へ足を踏み入れてしまったのだ。
 夏菜もようやく理解し始めていた。自分が知らなかった雨宮さんの世界。
 そして、その中心にいるのが「お嬢」と呼ばれた桜都なのだと。

 桜都は言った。

 「行きましょう」
 「……どこへ?」
 「ボスのところです」
 「ボス……?」

 その言葉を聞いた瞬間、佑真の顔から完全に血の気が引いた。



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