鉄仮面救急医は、再会した身代わりママを猛愛包囲で逃がさない【秘密の溺愛シリーズ】
雨に打たれてドロドロになった髪や体を手早く洗い、湯船につかる。源泉かけ流しだという温泉は滑らかな肌触りで、体の芯からじわりとほどけるように温まっていく。雨はいつの間に上がっており、眼下広がる駿河湾を見渡せる。
本当ならもっとゆったりとお湯に浸かりながら最高の眺望を満喫したいところだけれど、そんなわけにはいかない。
体がぬくもったので浴室から出て、備え付けの色浴衣に袖を通し、髪を乾かした。あとは彼の帰りを待つだけだ。
ここに来てからずっと胸の中が騒がしい。緊張と不安の中に、かすかに甘い期待が混じっていて、そんな感情は間違っていると思うのに、自分ではどうにもできない。
彼が部屋を出てから一時間と五分。呼び鈴の音で鍵を開けると、彼は私の顔を見るなり私の頬にスッと手を当てた。ドキッと心臓が大きく跳ねる。彼は親指の腹で私の下まぶたを軽く下げた。
「眼底異常なし。顔色も戻ったな」
彼はそう言うと手を下ろし、部屋の中へ入っていった。
玄関で動きを止めていると、スタッフがふたり「失礼します」と入ってくる。彼らはてきぱきとテーブルセッティングを終わらせ、部屋を出ていったときには目の前に、宝石のように美しく、繊細な盛り付けの一皿が置かれていた。
本当ならもっとゆったりとお湯に浸かりながら最高の眺望を満喫したいところだけれど、そんなわけにはいかない。
体がぬくもったので浴室から出て、備え付けの色浴衣に袖を通し、髪を乾かした。あとは彼の帰りを待つだけだ。
ここに来てからずっと胸の中が騒がしい。緊張と不安の中に、かすかに甘い期待が混じっていて、そんな感情は間違っていると思うのに、自分ではどうにもできない。
彼が部屋を出てから一時間と五分。呼び鈴の音で鍵を開けると、彼は私の顔を見るなり私の頬にスッと手を当てた。ドキッと心臓が大きく跳ねる。彼は親指の腹で私の下まぶたを軽く下げた。
「眼底異常なし。顔色も戻ったな」
彼はそう言うと手を下ろし、部屋の中へ入っていった。
玄関で動きを止めていると、スタッフがふたり「失礼します」と入ってくる。彼らはてきぱきとテーブルセッティングを終わらせ、部屋を出ていったときには目の前に、宝石のように美しく、繊細な盛り付けの一皿が置かれていた。