炎、揺らめく時〜If the world〜
「昨日も火災が多かったらしいが、今日も多いな」
鎮火したことを確認した後、先輩が汗を拭って言う。他の先輩もひっきりなしに出動しているせいか、疲労の色がいつもより濃い。
「春先より火災、多いんじゃないですか?」
僕は息を吐く。火災が一番多い月は三月だ。冬から春にかけて湿度が低く、乾いた空気が続く。それに加えて追い風が強く、小さな火種があっという間に燃え広がる。そして人の生活習慣の変化が激しい月のため、火の取り扱いの注意力が散漫になりやすい。
「確かに。こんなに火災が多いのは妙だな。まだ春どころか冬本番じゃないぞ」
「そうですよね。冬は暖房器具などを使う人が増えるから、自然と火事も多くなる傾向にありますけど……」
まだ秋になったばかりのこの時期に、暖房器具を使っている人などはいないはずだ。僕は火事が発生したビルを見上げる。当然ビルには誰もいない。しかし、暗闇の中で何かが動いたような気がした。
(何だ?)
鎮火したことを確認した後、先輩が汗を拭って言う。他の先輩もひっきりなしに出動しているせいか、疲労の色がいつもより濃い。
「春先より火災、多いんじゃないですか?」
僕は息を吐く。火災が一番多い月は三月だ。冬から春にかけて湿度が低く、乾いた空気が続く。それに加えて追い風が強く、小さな火種があっという間に燃え広がる。そして人の生活習慣の変化が激しい月のため、火の取り扱いの注意力が散漫になりやすい。
「確かに。こんなに火災が多いのは妙だな。まだ春どころか冬本番じゃないぞ」
「そうですよね。冬は暖房器具などを使う人が増えるから、自然と火事も多くなる傾向にありますけど……」
まだ秋になったばかりのこの時期に、暖房器具を使っている人などはいないはずだ。僕は火事が発生したビルを見上げる。当然ビルには誰もいない。しかし、暗闇の中で何かが動いたような気がした。
(何だ?)