恋と焦燥のロードマップ
さっき自分が言った言葉を、そのまま返されたような気がして、二人で笑った。
駅の改札が見えてくる。もう何度目かの別れ際だった。
最初の頃は、別れたあとに「今日は楽しかった」とメッセージを送ることすら少し緊張した。それが今では、駅へと着く頃には次にいつ会えるのかを考えるようになっている。
その日の夜も、帰宅してから湊と少しだけメッセージを交わした。
『雫:今日はありがとう』
『湊:こちらこそ』
『雫:楽しかった』
『湊:俺も』
『雫:また行こうね』
送信したあと、私はしばらく画面を見つめた。
以前なら、「また会いたい」と思っていても、こんなふうに自分から言葉にすることはできなかった。でも、今は違う。会いたいと思ったら、会いたいと言ってもいい。そんな当たり前なことを、私は少しずつ思い出しているような気がした。その数日後、湊からいつものようにメッセージが届いた。
『湊:そういえば、今度会う時なんだけどさ』
「雫:うん」
『湊:帽子、なくても大丈夫かな』
少しだけ意外だった。最初に会ったときから、湊はいつも帽子をかぶっていたし、眼鏡もかけていた。どうしてそうしているのか、私は聞いたことがない。本人がそういう格好を気に入っているのかもしれないし、何か理由があるのかもしれない。けれど、何度か会うようになった今となっては、それも湊らしさの一つのように思えていた。
『雫:いいんじゃない?』
『湊:じゃあ、次は帽子なしで行こうかな』
『雫:うん。その方がいいかも』
送信してから少しだけ笑った。
『湊:眼鏡はまだいる』
『雫:ふふ』
『湊:何?』
『雫:なんとなく』
『湊:じゃあ、次はちょっとだけ変わります』
画面を見つめながら、私は次に彼に会う日のことを考えた。
帽子を被っていない彼は、どんな顔をしているのだろうか。そんなことを考えている自分が、少しだけ可笑しかった。まだ何も始まってない。それでも、次に会える日が来るのを、私は少し楽しみにしていた。
駅の改札が見えてくる。もう何度目かの別れ際だった。
最初の頃は、別れたあとに「今日は楽しかった」とメッセージを送ることすら少し緊張した。それが今では、駅へと着く頃には次にいつ会えるのかを考えるようになっている。
その日の夜も、帰宅してから湊と少しだけメッセージを交わした。
『雫:今日はありがとう』
『湊:こちらこそ』
『雫:楽しかった』
『湊:俺も』
『雫:また行こうね』
送信したあと、私はしばらく画面を見つめた。
以前なら、「また会いたい」と思っていても、こんなふうに自分から言葉にすることはできなかった。でも、今は違う。会いたいと思ったら、会いたいと言ってもいい。そんな当たり前なことを、私は少しずつ思い出しているような気がした。その数日後、湊からいつものようにメッセージが届いた。
『湊:そういえば、今度会う時なんだけどさ』
「雫:うん」
『湊:帽子、なくても大丈夫かな』
少しだけ意外だった。最初に会ったときから、湊はいつも帽子をかぶっていたし、眼鏡もかけていた。どうしてそうしているのか、私は聞いたことがない。本人がそういう格好を気に入っているのかもしれないし、何か理由があるのかもしれない。けれど、何度か会うようになった今となっては、それも湊らしさの一つのように思えていた。
『雫:いいんじゃない?』
『湊:じゃあ、次は帽子なしで行こうかな』
『雫:うん。その方がいいかも』
送信してから少しだけ笑った。
『湊:眼鏡はまだいる』
『雫:ふふ』
『湊:何?』
『雫:なんとなく』
『湊:じゃあ、次はちょっとだけ変わります』
画面を見つめながら、私は次に彼に会う日のことを考えた。
帽子を被っていない彼は、どんな顔をしているのだろうか。そんなことを考えている自分が、少しだけ可笑しかった。まだ何も始まってない。それでも、次に会える日が来るのを、私は少し楽しみにしていた。