エリート学園の最上級王子は、地味な私を離さない。
たぶん、もっとおどおどすると思っていたんだろう。

真ん中の女子がすっと目を細めた。

「へえ。言い返すのね」

「すみません。でも、頑張ったことまで否定されたくないです」

教室の空気が静まり返る。
周りのクラスメイトたちも、息をひそめて見ているのがわかった。

心臓はうるさいほど鳴っていた。
足だって少し震えている。
それでも、ここで引きたくなかった。

すると、そのとき。

「朝からうるさい」

低く響く声に、教室の空気が一瞬で変わった。

振り向かなくてもわかる。
この声は。

鳳城くんが、教室の後ろの扉にもたれて立っていた。
眠そうに見えるのに、金色の瞳だけが鋭く細められている。

女子たちの顔色がさっと変わる。

「ほ、鳳城さま……」

「俺のクラスで騒ぐなよ」

静かな声なのに、ひどく圧がある。
真ん中の女子があわてて言葉をつなぐ。

「ち、違うの。私たちはただ、少し話をしていただけで……」

「話?」

鳳城くんはゆっくりこちらへ歩いてくる。
そして、私の机の前で足を止めた。

「それで、こいつに何の用」

その言い方に、胸がどきっとする。
こいつ。
なのに、守るみたいな響きがあった。
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