目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
そして3ヶ月後。

​欧州最大手のアート&カルチャー投資ファンドとの「環境文化事業推進サミット」のプレ・セレモニー。

会場は、東堂香奈江がプロデュースを手掛けた、伝統ある美術館の特別ギャラリーだった。

​厳選された政財界のトップだけが招かれたその場で、香奈江は流暢なフランス語と完璧なマナーで主賓である欧州の伯爵夫妻をもてなしていた。

​「――やはり、東洋の商社にはこの文脈の理解は難しいのかもしれませんわね。ビジネスとしては優れていても、私たちの文化資本(カルチャー)と真に融合できるかどうか……」

​香奈江が優雅にシャンパングラスを傾け、自らの土俵で優位性を誇示していたその時、会場の空気が一変した。

​ギャラリーの重厚なドアが開き、鷹司とともに1人の女性が入ってくる。

​真由だった。

落ち着いた深緑のシルクタフタのドレスは、真由のしなやかな立ち姿を完璧に引き立てていた。
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