目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です
episode14ーー冷やかに徹する
翌日。

資料を抱えてエレベーターホールを歩いていた真由の前に、書類を手に秘書を伴って歩いてくる鷹司の姿が見えた。

​周りの社員たちが一斉に道を譲り、頭を下げる。

真由も端に寄り、深く一礼した。

​「副社長、お疲れ様です」

​鷹司は足を止めることなく、真由の脇を通り過ぎようとする。

たが、鷹司の視線は真由を捉えた。

​「——市川」

​「はい」

​鷹司は真由が慌てて背筋を伸ばすと、表情を緩めず、淡々とした低音で問いかけた。

​「先日の設備投資に関する総務部からの提出資料だが、3ページの注記について確認したい点がある。修正データは上がっているか。できれば15時までに仕上がるか? 直接届けてもらいたい」

​「はい。ただいま最終確認を行っておりまして、本日15時までに秘書課へお届けいたします」

​「宜しく頼む」

​「かしこまりました」

​
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