君と僕との最後の一週間

入院編~三日目~





三日目の朝、目が覚めたら海兎が目の前いた。

「おはよう。雪流。」

って、笑顔でキスをしてくれた。
目が覚めて、一番最初に大好きな人がいたら、凄く嬉しい。

「おはようございます。海兎。」
僕もニッコリ笑って返したら、頭を撫でてくれた。それが気持良くて大好きなんだ。

「目が覚めて、一番最初に大好きな人がいるのって、良いだろ?」

「ふっ、自分で言わないで下さいよ。」

海兎は僕が考えていることは全部お見通しみたい。
僕がしてほしいことを何も言わないのに、分かってくれるんだ。


「ありがとうございます。海兎。」

















入院してから、雪流は“ありがとう”の数が増えた。

でも同時に、“ごめんなさい”の数も増えた。

雪流は出逢った頃から笑顔を絶やしたことはなかった。

何時も幸せそうに、笑っていた。
俺は雪流の笑顔が好きだ。
ほんのり頬を染めて、可愛く笑うんだ。

雪流も俺の笑顔が好きだって、言ってたけど。
俺も、雪流には笑っていてほしいんだ。

雪流が笑顔になるなら、なんだってする。俺なんかよりも雪流の方が、数倍不安で寂しいはずだ。


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