君と僕との最後の一週間
俺達はタクシーにのって家に向かった。雪流は看護師さん達が見えなくなるまで、ずっと手を振っていた。
「はぁ~、何か緊張しますね。」
「あぁ。窓閉めるぞ?冷えるからな。」
冬に近付き寒さが増して来たから、雪流にはしっかり膝掛けにマフラー手袋を着けさせた。
“大袈裟じゃない?”って言うけど、俺は願として譲らなかった。
“雪流の体が第一!”と言えば、雪流は渋々了解した。
「ありがとうございました。」
「着きましたね。久しぶりだなぁ。」
「さぁ、冷えない内に入るぞ?」
俺の家は元々広いため車椅子でも、十分通れる幅がある。
取り合えず雪流をリビングのソファに座らせ、暖房を入れて部屋に荷物を置きに行った。
「ちょっと待ってろ、これ上に持ってくから。
そしたらココア入れてやるな。
」
「ココア!!はい。待ってま~す♪」
雪流はココアが大好きだ。甘いものが大好きだから、いつも飲んでいた。
只、病院じゃあココアは飲めないから、雪流は今相当嬉しそうだ。
「はい。御所望のココアでございます。」
「どうも。
…美味しい。」
「それは良かった。」