君と僕との最後の一週間

帰宅編~六日目~



俺はその日朝早く起きた。
そっと雪流が眠るベットを抜け出し携帯をもって部屋を出た。

勿論雪流にキスをしてから。

ある目的のために……………















「ん……?海兎?」

何時もなら起きたら必ず隣にいるはずの海兎が居なかった。

「海兎……………?どこ?」

不安になり泣き出しそうになった所で、部屋の扉が開いた。

「?雪流!起きてたのか。ごめん居なくて。」

時間にしたらわずか一分だったかもしれないが、起きて目を開けたら海兎がいなくて凄く寂しかった。
このままもう逢えないのかと一気に不安が襲ってきて。怖かった。
「海兎……どこ行ってたの?」

両手を広げて海兎に向けたらすぐ抱き締めてくれた。
存在を確かめるように強く抱きついた。

「ごめんな、寂しい想いをさせて。ちょっと……電話をな。」

俺は言おうか迷って、正直に言った。隠し事はなしって決めたから。

「電話?ん…、そうですか。誰に?」

会話の合間におはようのキスをして、聞いてみた。

「………両親。」

海兎は短く簡潔に答えた。ちょっと間はあったけど。

「海兎のお父さんとお母さん?」


< 54 / 78 >

この作品をシェア

pagetop