君と僕との最後の一週間
海兎の両親はいない、正確には一緒に住んでいないだけ。
もう何年も前から外国で暮らしているため、海兎は一人暮らしをしていた。
「何で急に?電話を?
あっ失礼ですよね、海兎の両親なのに。
電話するのは当たり前ですよね。
」
雪流は落ち込んだような顔でうつ向いてしまった。
きっと、自分をほっておいて両親に電話をしていたのを、嫉妬してすねているんだ。
「雪流…勘違いしてるみたいだから言うけどさ、雪流の事で電話してたんだからな。」
「えっ…そうなんですか?ごめんなさい。
僕、僕が起きたときに海兎が側に居なかったのに、両親と電話してたんだと聞いたら、何か見捨てられた気がして…。」
「それはごめんな、起きたとき側にいなくて。」
「いえ、もう良いですよ。こうして抱き締めてくれたから。
ちゃんと分かっています。
でも…あの、聞いてもいいですか?」
「ん?」
「僕の事って?」
俺は、決心してちゃんと座りなおし、雪流に話始めた。
「実は…俺の両親外国で有名な医学の施設にいて医者をやっているんだ。」
それは初めて聞いたことだった。海兎は今まで両親の話をしたことがない。