豪華客船で再会した冷徹海運王と、もう一度恋が始まりました
「愛華さん」
御堂社長が少しとまどったような声を出す。彼女が誰だかわからないまま、私はそっと頭を下げた。
「ごめんなさい、お仕事のお邪魔だったかしら。潤一さんの姿が見えたものだから、つい話しかけてしまったけれど……」
愛華さんと呼ばれた女性は、口もとに笑みを浮かべたまま私に目を移した。
なんとなく値踏みするような視線に、自然と背筋が伸びる。
私はすぐにスーツのポケットに手を伸ばし、名刺入れを取り出した。
「わたくし、レガリアトラベルの初瀬と申します。本日は就航前の視察でお招きいただいております」
「レガリアトラベル? ……ああ、御堂グループ傘下の旅行会社ね」
名刺を受け取りながら、愛華さんはさらりと言った。
「私は白坂愛華。父は白坂銀行の頭取なの。よろしくね」
——白坂銀行。
大手都市銀行のひとつだ。この人が、その頭取のご令嬢?
それを聞いた途端、頭からつま先まで隙がないその姿にも、なるほどと合点がいった。
「潤一さん、お話が終ったのなら、船内を案内してくださらない? せっかく招待していただいたのに、まだ全然見て回れていないの」
「……ああ、わかった」
御堂社長が少しとまどったような声を出す。彼女が誰だかわからないまま、私はそっと頭を下げた。
「ごめんなさい、お仕事のお邪魔だったかしら。潤一さんの姿が見えたものだから、つい話しかけてしまったけれど……」
愛華さんと呼ばれた女性は、口もとに笑みを浮かべたまま私に目を移した。
なんとなく値踏みするような視線に、自然と背筋が伸びる。
私はすぐにスーツのポケットに手を伸ばし、名刺入れを取り出した。
「わたくし、レガリアトラベルの初瀬と申します。本日は就航前の視察でお招きいただいております」
「レガリアトラベル? ……ああ、御堂グループ傘下の旅行会社ね」
名刺を受け取りながら、愛華さんはさらりと言った。
「私は白坂愛華。父は白坂銀行の頭取なの。よろしくね」
——白坂銀行。
大手都市銀行のひとつだ。この人が、その頭取のご令嬢?
それを聞いた途端、頭からつま先まで隙がないその姿にも、なるほどと合点がいった。
「潤一さん、お話が終ったのなら、船内を案内してくださらない? せっかく招待していただいたのに、まだ全然見て回れていないの」
「……ああ、わかった」