豪華客船で再会した冷徹海運王と、もう一度恋が始まりました
「友野さん。ここを見てください。マップだと〝デッキ5〟って書いてあるのに、実際の表示は〝プロムナードデッキ〟になってません?」
彼女にマップを見せつつ、ふたりで確認をおこなう。
「あ、ほんとだ。表示が違ってるからか……私、さっき迷いそうになったの」
「一般のお客様が乗られたとき、絶対とまどうと思うんですよね。デッキの名称、どっちかに統一したほうがいいと思うんですけど……」
エレベーターホールの案内板も、紙のマップとはデッキの表示が違っていた。これは提案すべき問題点だ。
だけど私はレガリアトラベルの社員。当然、この船の施工には関わっていない。
「いったん、社に持ち帰る? で、そのあとあらためて御堂海運の担当者に連絡しようか」
「でも……」
その意見が正論なのはわかっていた。だけど、それでは遅いと思う。気づいていたのに見過ごすようなまねをしたら、絶対に後悔する。そうなったら自分を許せないだろう。
私は意を決して友野さんを見据えた。
「今、伝えましょう。御堂海運の社員に」
「そういえば、初瀬さんは御堂社長と顔見知りだったわよね」
「さすがに社長に話すのは無理かもしれませんが、社員のどなたかには伝えないと。早いほうがいいです、絶対」
もしも修正をおこなうとして、正式な就航日までに間に合わせるのなら、悠長にかまえている場合ではない。
このときの私はなぜか頭が冴えていて、冷静な判断ができた。
彼女にマップを見せつつ、ふたりで確認をおこなう。
「あ、ほんとだ。表示が違ってるからか……私、さっき迷いそうになったの」
「一般のお客様が乗られたとき、絶対とまどうと思うんですよね。デッキの名称、どっちかに統一したほうがいいと思うんですけど……」
エレベーターホールの案内板も、紙のマップとはデッキの表示が違っていた。これは提案すべき問題点だ。
だけど私はレガリアトラベルの社員。当然、この船の施工には関わっていない。
「いったん、社に持ち帰る? で、そのあとあらためて御堂海運の担当者に連絡しようか」
「でも……」
その意見が正論なのはわかっていた。だけど、それでは遅いと思う。気づいていたのに見過ごすようなまねをしたら、絶対に後悔する。そうなったら自分を許せないだろう。
私は意を決して友野さんを見据えた。
「今、伝えましょう。御堂海運の社員に」
「そういえば、初瀬さんは御堂社長と顔見知りだったわよね」
「さすがに社長に話すのは無理かもしれませんが、社員のどなたかには伝えないと。早いほうがいいです、絶対」
もしも修正をおこなうとして、正式な就航日までに間に合わせるのなら、悠長にかまえている場合ではない。
このときの私はなぜか頭が冴えていて、冷静な判断ができた。