豪華客船で再会した冷徹海運王と、もう一度恋が始まりました
友野さんはさっさとタラップを降りていってしまったけれど、私はなんだか名残惜しくて、吹き抜けになったエントランスホールをもう一度ぐるりと見回した。
またこの船に乗れたらいいな……。そんなふうに思いながら船内の雰囲気を味わっていると、不意に香水の甘い香りが鼻先をかすめた。
「初瀬さん、だったわね」
うしろから声をかけられて振りむいた先にいたのは、愛華さんだった。彼女もまだ船内にいたらしい。
顔を見ると先ほどまでの華やかな笑みは消えていて、今ははっきりとした不機嫌さが宿っている。そして、さらに一歩距離を詰めてきた。
「さっき、うちの秘書から聞いたんだけど……あなたの父親、初瀬造船の社長なのね」
御堂社長がいたときと声のトーンがあきらかに違ったため、私は驚いて唖然としてしまった。
「初瀬造船って、経営が厳しいんですってね」
愛華さんは小さく鼻で笑うと、スカートの裾を揺らして私との距離を詰めてきた。
大粒のパールが胸もとで光を放ち、その洗練された佇まいだけで、住む世界が違うのだと突きつけられている気がする。
「えっと……はい。たしかにかんばしくありませんが……それが、なにか?」
またこの船に乗れたらいいな……。そんなふうに思いながら船内の雰囲気を味わっていると、不意に香水の甘い香りが鼻先をかすめた。
「初瀬さん、だったわね」
うしろから声をかけられて振りむいた先にいたのは、愛華さんだった。彼女もまだ船内にいたらしい。
顔を見ると先ほどまでの華やかな笑みは消えていて、今ははっきりとした不機嫌さが宿っている。そして、さらに一歩距離を詰めてきた。
「さっき、うちの秘書から聞いたんだけど……あなたの父親、初瀬造船の社長なのね」
御堂社長がいたときと声のトーンがあきらかに違ったため、私は驚いて唖然としてしまった。
「初瀬造船って、経営が厳しいんですってね」
愛華さんは小さく鼻で笑うと、スカートの裾を揺らして私との距離を詰めてきた。
大粒のパールが胸もとで光を放ち、その洗練された佇まいだけで、住む世界が違うのだと突きつけられている気がする。
「えっと……はい。たしかにかんばしくありませんが……それが、なにか?」