豪華客船で再会した冷徹海運王と、もう一度恋が始まりました
「仕事熱心な印象ではありましたけど……私は一緒に働いたことがないですから」

 そう口にしたものの、私の中で彼の印象は、冷徹とは少し違った。
 口調もやわらかく、しっかりと話を聞いてくれる人だった。
 普段は冷たいだけではないのだと、私はよく知っている。

「乗船の受付を済ませよう。あっちみたい」

 友野さんに促され、私は小さくうなずきながら意識を現実に戻した。
 無事に受付を済ませて、タラップに足をかける。
 一段ずつ上がるごとに、潮風の匂いに交じって、かすかに真新しい船の香りがした。

 これから、私はこの船で〝顧客体験〟をして、隅々まで見極めなければならない。
 レガリアトラベルの社員として、旅行のプロとして、どんなふうに顧客に船の魅力を伝えるのかを考えるのが私の仕事だ。
 そう自分に言い聞かせつつ、乗船口をくぐった瞬間、目の前に広がる光景に、私は声を失った。

「すごい。これは想像以上だね」

 友野さんのつぶやきを聞いた私は、激しく同意してうなずいた。
 圧倒されながらも、キョロキョロと船内を見回してしまう。
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