嘘つきな3人
「美作ちゃん、昨日の入金処理ありがとう」
所長に声をかけられて、私はすぐに仕事へ意識を切り替えた。
「いえ。今朝、もう一度確認しておきます」
「助かる」
席に座ってパソコンを立ち上げる。数字が並んだ画面を見ていると、不思議と落ち着く。
合うものは合う。違うものは、どこかに理由がある。人の気持ちみたいに、考えても答えが出ないことはない。
だから私は、数字が好きだ。
「紅ちゃん、行ってくるね」
呼ばれて顔を上げると、伊久間くんがひらりと手を振って事務所から出て行った。