嘘つきな3人
「いらっしゃいませ。美作さん、来てくれたんですね」
カウンターの向こうで、久我さんが顔を上げた。私を見ると、笑ってくれた。
席に案内されメニューを開くと、前に食べたナポリタンが目に入った。ほとんど迷わず、それを選ぶ。
「ナポリタン、お願いします」
「……前より少なめにする?」
前回少し残してしまったことを覚えられてる、と気まずく思い久我さんの表情を伺った。
「全然大丈夫だよ。それに……お客さんのことは、なるべく覚えるようにしてるんだ」
さらっと言って、久我さんは注文を書き留めた。
「じゃあ……少なめでお願いします」
しばらくして運ばれてきたナポリタンは、前より少しだけ少ない。
「いただきます」
一口食べる。やっぱり、おいしい。今日は全部食べられそうだ。