嘘つきな3人

しばらくして、乱れていた呼吸が落ち着いてくる。

奏斗くんは何も言わず、私の身体を引き寄せた。背中に回された腕の中へ収まると、まだ少し速い心臓の音が聞こえる。
髪をゆっくりと何度も撫でられるのが心地よくて、奏斗くんの胸元に頬を寄せた。

「眠れそう?」

「……まだ分かんない」

「そっか」

それ以上は聞かない。どうして眠れないのかも、何を考えていたのかも。
ただ、背中を抱く腕だけは離れなかった。

「……暑い」

「奏斗くんがくっつくからでしょ」

「くっつきたいの」

枕元の時計を見ると、日付が変わっていた。

「あ、もうこんな時間だよ」

「紅が寝たら帰る」

「帰るって言っても、隣の部屋でしょ」

「だから?」

「……ここで寝ても、そんなに変わらなくない?」

奏斗くんは一瞬だけ黙って、それからいつものように笑った。

「朝まで俺いたら、紅が困るよ?」

「……なんで?」
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