嘘つきな3人
◇
カーテンの隙間から差し込む朝の光に目を細めながら、まだ少し眠い頭で時計を見る。
6時半。
ベッドの隣には、昨夜の名残みたいにわずかな皺だけが残っていた。
奏斗くん――じゃない。
朝になったら、伊久間くん。
いつからそう決めたのかは分からない。そもそも、決めた覚えすらなかった。
20歳のころから始まったこの関係は、もう10年近く続いている。そのあいだ一度も、私たちはこれを何と呼ぶのか話したことがない。
恋人ではない。でも、ただの友達とも少し違う。
考えても答えが出ないから、いつのころからか考えることもやめた。
シャワーを浴びて支度を済ませ、玄関の扉を開けると、ほとんど同じタイミングですぐ隣の扉も開いた。