恋は買収できません!~厄介な幼馴染CEOの強引すぎる溺愛~
⑪
それからまた時が流れ、ある日の夜。夕食の最中、蒼真が上機嫌で言った。
「来週の土曜朝8時、10チャンネルをつけておけよ。朝の情報番組に俺が生出演する」
「ええっ! テ、テレビに出るってこと!? すごいじゃない!」
思わず食いつくと、蒼真は得意げな笑みを浮かべる。
「『人手不足に悩む中小企業を、ITでどう支えるか』って特集のコメンテーターとして呼ばれてな。ま、同等の実績のある経営者が何人もいる中で選ばれたのは、俺に華があるからだろうなぁ」
(この顔、腹立つ~……けど、こいつがこんなに浮かれてるなんて珍しい。『上機嫌です』って顔に書いてあって、ちょっと可愛いかも)
原田さんから、創業当時の話は聞いている。今でこそグローノエッジの経営は軌道に乗っているけれど、会社をここまで成長させるために、蒼真も寝る間を惜しんで働いてきたそうだ。
これまで積み重ねてきたものが、テレビ出演という新たな形で評価されたのだから、嬉しいのも当然なのかもしれない。そこではたと我に返る。
(……えっ、待って。今、こいつのこと可愛いって思った? いや、ないないない。CEOになったこと以外は、こっちの都合なんて考えない、子どもの頃から何も変わってない自己中男だし)
何度も首を横に振り、頭の中に浮かんだ考えを追い払う。
「まあ、あんたが選ばれた理由はどうあれ、晴れ舞台だし。しっかり録画しないとね」
すると、蒼真が意外そうに目を丸くした。
「何よ、その顔」
「いや……そうかそうか。俺の雄姿を録画して、何度でも見たいってわけだな? 思う存分、録画しろ」
すっかり気をよくした蒼真が、レコーダーのリモコンを手渡してくる。
「ち、違うわよ。知り合いがテレビに出るっていったら、そりゃ録画くらいするでしょ。だいたい、あんただって自分の姿を見たいんじゃないの?」
「まあ、そうだが」
番組表を開き、『翌日』のボタンを何度も押す。一週間後の土曜日まで進み、10チャンネルで放送される2時間枠の情報番組を録画予約した。
「これでよし。しっかりやりなさいよ」
「言われなくてもな。お前こそ、俺が女子アナに話を振られても妬くなよ」
「妬きません」
(こいつの思考回路、どうなってるんだろ)
「生放送で余計なこと言わないでよね」と釘を刺しながら、番組表を閉じた。
土曜日といえば、コンペの翌日だ。気がかりもなく、さぞのびのびと出演するのだろう。
「来週の土曜朝8時、10チャンネルをつけておけよ。朝の情報番組に俺が生出演する」
「ええっ! テ、テレビに出るってこと!? すごいじゃない!」
思わず食いつくと、蒼真は得意げな笑みを浮かべる。
「『人手不足に悩む中小企業を、ITでどう支えるか』って特集のコメンテーターとして呼ばれてな。ま、同等の実績のある経営者が何人もいる中で選ばれたのは、俺に華があるからだろうなぁ」
(この顔、腹立つ~……けど、こいつがこんなに浮かれてるなんて珍しい。『上機嫌です』って顔に書いてあって、ちょっと可愛いかも)
原田さんから、創業当時の話は聞いている。今でこそグローノエッジの経営は軌道に乗っているけれど、会社をここまで成長させるために、蒼真も寝る間を惜しんで働いてきたそうだ。
これまで積み重ねてきたものが、テレビ出演という新たな形で評価されたのだから、嬉しいのも当然なのかもしれない。そこではたと我に返る。
(……えっ、待って。今、こいつのこと可愛いって思った? いや、ないないない。CEOになったこと以外は、こっちの都合なんて考えない、子どもの頃から何も変わってない自己中男だし)
何度も首を横に振り、頭の中に浮かんだ考えを追い払う。
「まあ、あんたが選ばれた理由はどうあれ、晴れ舞台だし。しっかり録画しないとね」
すると、蒼真が意外そうに目を丸くした。
「何よ、その顔」
「いや……そうかそうか。俺の雄姿を録画して、何度でも見たいってわけだな? 思う存分、録画しろ」
すっかり気をよくした蒼真が、レコーダーのリモコンを手渡してくる。
「ち、違うわよ。知り合いがテレビに出るっていったら、そりゃ録画くらいするでしょ。だいたい、あんただって自分の姿を見たいんじゃないの?」
「まあ、そうだが」
番組表を開き、『翌日』のボタンを何度も押す。一週間後の土曜日まで進み、10チャンネルで放送される2時間枠の情報番組を録画予約した。
「これでよし。しっかりやりなさいよ」
「言われなくてもな。お前こそ、俺が女子アナに話を振られても妬くなよ」
「妬きません」
(こいつの思考回路、どうなってるんだろ)
「生放送で余計なこと言わないでよね」と釘を刺しながら、番組表を閉じた。
土曜日といえば、コンペの翌日だ。気がかりもなく、さぞのびのびと出演するのだろう。