英雄として死んだはずの夫が、隣国で結婚して私への褒美を盗みに来ました
 だけどちゃんと中身までは読んでいないみたい。
 確かにアレンはこの国の英雄とされた。
 でも褒賞はそんなアレンではなく、国の再建に尽力したその妻である私にと書かれていたはずなんだけど。

「隣国に逃げて上手くやっていたのなら、何にお金が必要だというの? こんな三年も経って、今さら」
「今さらなのは悪いと思っている。でも本当に金が必要なんだ。子どもが……」
「子ども?」
「あ、ああ……。次の春に子どもが生まれるんだ」

 つらつらと並べられた言い訳は、聞くに堪えないものだった。

 アレンはあの特攻の最中、一人隣国に逃げ延びたのだという。
 そこで今の妻である男爵令嬢と恋に落ち結婚した。

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