パイロットパパは、三つ子とママを諦めない
 家事をするためにいる人間――それが、この家での私だった。
 私の実家は、『パシフィック・エアフーズ』という機内食製造会社で、国内最大手の航空会社を擁するTKSグループの関連企業だ。グループ全体から見れば決して規模の大きな会社ではないものの、世間的には私はいわゆる社長令嬢という立場にあった。

 しかし、現実は違う。昔から家事を押しつけられる日々の中で、頼れるのは自分だけだと思った私は、いつかこの家を出る日のためにも、語学の勉強だけは必死に続けてきた。

 朝倉家の体面もあって、大学まで通わせてもらえたことだけは本当によかったと思っている。
 卒業後は通訳や翻訳の仕事をフリーランスで始めた。初めのうちは先輩通訳者のアシスタントのような仕事も多かったが、少しずつ実績を積み、最近では海外企業との仕事に声をかけてもらえることも増えてきたのだ。
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