パイロットパパは、三つ子とママを諦めない
 気づけば時計は十五時を回っていた。
 相変わらず父と琴音は接待という名の宴会なのだろう。帰ってくる様子はなく、継母もそれを知っていたからこそ、どこかへ飲みにでも出かけたに違いない。
 静まり返った家の中で、私は苦笑する。

 私が夜の仕事へ行くと思っていながら食事だけは作らせておいて、結局、三人とも外食をして帰ってくる。
 もっとも、私にとっては、そのおかげでひとり静かに過ごせる時間が増えるのだから悪いことばかりでもなかった。

 エプロンを外し、派手さのないネイビーのパンツスーツに着替える。
 何年も着ている一着だが、生地はしっかりしていて手入れも欠かしていない。

 通訳に求められるのは、自分が目立つことではなく、相手の言葉を正確に届けること。そのため、服装もメイクもできるだけ控えめを心がけていた。
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